ウールのふるさと

ベッドパッドやウールケットの詰めものとして使われるウール
原料となる羊を探して牧場まで追いかけてみました

訪ねたのはドイツ中南西部の羊牧場、この地域での羊牧場経営は2015年現在で3件、その中の1件Gimber家は夫婦と息子の3人で経営、メリノ種700頭を保有する中規模牧場です。
大規模牧場となると1000~1200頭の羊を保有します。
Gimber家では2つの牧場を保有し、自宅裏の牧場は190ヘクタールを電線で仕切り管理しています。
もう一つは20km程度離れた森の中にあるそうです。

意外に少ないウールの収入

牧場の経営は地域の役所関係からの請負で丘陵地の森林化を防ぐための羊による除草作業と精肉業が主体となります。ウール原毛の出荷による収入は2%と以外に少ないようです。私たちの目的が寝具に詰められるウールのふるさとを追いかけてきたと伝えると「信じられない…」とほぼあきれ顔で笑っていました。

牧場の年間スケジュール

牧場の主な年間スケジュールは…
4月15日~11月15日の間、羊は牧場での飼育されます。
11月16日~4月14日の寒い時期には厩舎で飼育されます。
夏の間に干し草を堆積し発酵させ飼料を作ります。
12月に爪を切る…なんで?爪が伸びたら危ないでしょ(笑)
3月に毛刈り…なんで?羊だって夏は暑いでしょ?(笑)

牧場では700頭の羊のうち、500頭の羊での精肉の出荷と200頭のブリーディングをしています。
羊1頭に対して年間1.5頭の子供が生まれるが、双子や三つ子等が生まれると死亡率が15%と高くなるため、通常より時間を掛けて母羊と厩舎内で生活させ、飼料も特別なものを与えなければいけません。

商品としての羊たち

毛刈りは冬に間に体温維持の為に伸びた羊毛を刈ることにより、夏に体温を放熱しやすいように行われます。
これには1日1人が200頭の羊の毛を刈ります。
牧場では毛刈りのみで、刈り取られたウールは全て原料サプライヤーに送られます。
サプライヤーでは各牧場より集められたウールをソーティング(選別)、洗浄を行い、寝具製造メーカーや繊維メーカーへ出荷されていきます。
精肉業は月曜日に業者への販売、火~土曜日には一般にも羊肉は販売されます。
翌週の注文に応じて月曜日、金曜日、土曜日に5~10頭が厩舎内の屠殺場にて処理されます。
精肉には生後6ヶ月程度の約20kg前後の羊が好まれ部位と重量の注文を受け販売します。
精肉用として処理された羊の一部は塩で水分を抜きなめし、一匹もののムートンを自社製造しています。

役場から依頼される仕事は山(丘陵地)での放牧で1ヶ所4日間で草を食べさせ、山が森林化しないようにすることが目的です。
機械の入らない急勾配でも羊には全く問題なく登ることができます。
200頭の羊に対して1人と牧羊犬1匹が夏の間、公有地をまわって作業する。

ブリーディング

羊は血統書にて管理され、オークションに出されます。平均で600~800ユーロで落札されるますが、血統とその飼育状況によっては数千ユーロでの落札例もあるそうです。