CONTENTS
夏の掛け布団どうしてる?(業界歴35年のプロ直伝)
YouTube 5作目は夏の寝具編!
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◆目次(チャプター)◆
00:00 夏のおすすめ掛け布団
01:07 夏の寝室環境
02:10 掛け布団の種類について
04:06 通気性の実験
05:08 実験のまとめ
06:02 夏の睡眠について助言
◆配信内容◆
そろそろ暖かくなってきました。
暑い時期を前に夏の寝具の準備はできていますか?
素材やアイテムの特徴からどんなものがいいか、わかりやすく説明します。
夏の寝室環境
最近の夏の暑さを考えるとエアコンを使って気持ちよくやすみたいところですが…
電気代が上がってしまい、ちょっと躊躇しちゃいますよね。
日本人が素っ裸…シャツもパンツもつけないで寒くもなく暑くもない温度(中性温度)は29℃といわれます。
つまり寝室の温度が29度以上だと暑いということになります。
また、同じ温度でも湿度が70%を越えると暑く感じ、30%を下回ると寒いと感じます。
寝室の温度が29℃だと何も掛けなくてもいいのか?となりますが、
人の体温は眠っている間に急降下します。
また敷き寝具には必ず触れているので…そういうわけにはいかないんです。
夏の掛け寝具
中わたが入っている布団タイプ
羽毛肌掛け布団(ダウンケット)
ウール(羊毛)肌掛け布団(ウール、キャメルのような毛が入っている)
夏掛け布団
キルトケット
中わたが入っていない織物タイプ
毛布(夏素材では綿やシルク)
タオルケット(綿、麻、シルク)
ガーゼケット(ガーゼ生地を幾重にも重ねたもの)
布団タイプでも織物タイプでも厚みによって保温力が変わります。
なので、一般的には中わたの入っている布団の方があたたかいということになります。
寝室の温度によって使う寝具を選ぶことが大切です。
ダウンケット(羽毛肌掛け布団)のホントの話
これからの季節はTV通販でたくさん登場してくるダウンケット。
商品説明では吸湿性や発散性に優れ、エアコンのようにサラッと気持ちいいと紹介されています。
でも実は、ダウンケットには吸湿発散性はほとんどありません。
確かに中に入っているダウン(羽毛)には優れた吸湿発散性があります。
しかしダウンを覆う生地には中からダウンが出てこないようにダウンプルーフ加工という目潰し加工がされています。
つまりダウンケットの生地にはほとんど通気性がありません。
なので、睡眠中の湿気(水蒸気)が中のダウンに届かない、布団と身体の間の湿度が高くなってしまうという状況になります。
特にご自宅で簡単に洗えるダウンケットは、主に側生地にポリエステルを使用しています。
ポリエステル繊維は糸自体に吸湿性がほとんどありません。
したがって、ダウンケットを掛けていると尚更蒸れて暑苦しいとなります。
ダウンケットとウールケットの通気性の実験
ロウソクに火をつけ、ダウンケットとウールケットをそれぞれ口に当ててロウソクに向かって吹いてみます。
ダウンケットは量販店で購入したもの。ダウン200g入りで側生地はポリエステル100%、家庭で洗濯できる表示になっています。
ウールケットはソサンスタイルで販売している商品。ウール600g入りで側生地は伸縮性のある綿のニット生地、ドライクリーニング表記です。(でも自宅で洗えますよ!)
中わた量の多いウールケットの方が厚みがあります。
ダウンケットはまったく空気が通らないのでロウソクの炎は揺れ動くこともありません。
それに対して、ウールケットは吹くとロウソクの火は消えてしまいました。
ここに布団自体の通気性の違いが明らかになりました。
ウールケットは睡眠中の汗(湿気)を外に逃がす能力があるということがわかります。
冒頭の夏の寝室環境のところで、湿度によって暑さの感じ方が違うという話をしました。
そななると夏の暑い時期に少しでも快適に眠るためには通気性のいいものを選ぶといいということがわかります。
寝室の温度を高く設定する場合
寝室の温度が高いなら、タオルケットのように薄くて通気性のいいものを選びましょう。
さらに綿や麻のような素材で繊維自体の吸湿性が高いものをおすすめします。
寝室の温度を低く設定する場合
エアコンを使って寝室の温度を低く設定できるのであれば、
ウール肌掛け布団(側生地の通気性がいいもの)や麻100%の夏掛け布団、綿100%のキルトケットがおすすめです。
ポリエステル素材はムレ感を助長しますので避けましょう。
夏にスーツを着なければいけないお仕事の方へ
最近はクールビズが定着して夏に上着を着て外回りは減りましたが、
もしそんな状況がある場合にはスーツの上着はウール100%が間違いなくおすすめです。
暑いですけど、モワッとした暑さはなく、なんとか耐えることができます。
掛け布団は1人1枚ずつ持つ方がベター
ダブルサイズのベッドや敷き布団でお二人でお休みになっている方の多くは掛け布団もダブルサイズで二人一緒にかけているケースが多いと思いますが…
布団と身体の間にできる空気、これを寝床内温度、湿度といいます。
この場合は掛け布団の中でお互いの温度と湿度を共有してしまします。
暑い季節にはとっても不快な状況をつくることになります。
少なくとも夏の寝具は(冬の寝具もおすすめしますが)、掛け布団は一人1枚ずつシングルサイズを持つようにしましょう。
◆プロフィール◆
ソサンスタイル 寝室デザイン研究所 代表 松本康人
国内寝具メーカーとドイツ寝具メーカー日本法人で32年間勤務していました。
2019年4月に株式会社寝室デザイン研究所を設立、同年11月にマットレスと寝具の専門店「ソサンスタイル」をオープンしました。
日本はもちろん、ヨーロッパやアジアの展示会、工場、さらには農場まで足を運んで得た知識と情報をもとに日本の環境と生活文化に合わせて商品をセレクトしています。
また、上級睡眠健康指導士として定期的に店内イベント、コロナ禍ではオンラインも駆使して睡眠セミナーを開催しています。
企業や学校等のイベントで出張睡眠講座をおこなうこともあります。
寝具と睡眠の専門家。
「眠り」に関するあらゆる疑問にお答えします。
<保有資格>
・上級睡眠健康指導士(日本睡眠教育機構)
・インテリアコーディネーター(インテリア産業協会)