世界最高の羽毛布団をつくりだすアイダーダックと農夫との関係

世界最高の羽毛布団をつくりだすアイダーダックと農夫との関係

アイダーダックオスメスつがい

良質な羽毛布団の常識とまったく異なるアイダーダックダウン

世界最高峰の羽毛布団の原毛はアイダーダック(ホンケワタガモ)といわれる野鳥のメスの羽毛を使用します。
アイダーダックの羽毛は一般的に良質といわれる羽毛布団の説明からまったく異なります。

アイダーダックは野鳥である

まず、一般的な羽毛布団で使用される羽毛原料は食用として農家で飼育されている家禽です。
食用なので肉として出荷されるときに羽毛は採取されます。
それに対してアイダーダックは野鳥です。しかも渡り鳥。
夏の間に北極圏に近い沿岸部にメスの胸元の羽毛で巣をつくり産卵します。その巣から採取されるのがアイダーダックダウンです。
冬は南の温帯付近までくることも多いようです。

グース(ガチョウ)より高級なアイダーダック

羽毛布団の説明ではダックよりグースの方が良質との説明が必ず入ります。
グースの方が体長が大きいのでダウンも大きいものが採れるから、臭いも少ないから等ですが…
アイダーダックはダック、カモなんです。
体長はグースより小さく、しかもメスはオスよりさらに小さい鳥です。

アイダーダックは茶色のダウン

日本で販売される羽毛布団は特にホワイトグースにこだわります。
羽毛布団の中身は真っ白が良質とされ、白い側生地から黒いダウンが透けて見えると価値が下がります。
ところがアイダーダックのメスのダウンは茶色のダウンです。白い生地から茶色が透けても問題になりません。

アイダーダックダウン羽毛布団は膨らまない

羽毛布団のあたたかさはかさ高(布団のふくらみ)ですが、アイダーダックダウンの羽毛布団は一般的なホワイトグースダウンに比べて同じ重量でもふくらみが小さくなります。
アイダーダックは自身の羽毛で地表に巣をつくります。風で飛ばないようにその羽毛は絡みつくようになっています。

アイスランドの農夫とアイダーダックのやさしい関係

アイダーダックはつがいで毎年同じ場所で巣作り

アイダーダックメスは地表に自分の羽毛で巣をつくり産卵します

先ほども触れましたが、アイダーダックは野鳥です。
夏の間は北極圏に近い沿岸部で過ごします。
主な生息地はアイスランド、グリーンランド、カナダ、シベリアです。
夫婦となったアイダーダックのオスとメスは夏になると毎年同じ場所に巣をつくり産卵します。

アイスランドの農夫がアイダーダックを護ります

農夫によるアイダーダウンの採取

アイスランドではアイダーダックの巣から羽毛を採取する農夫たちがいます。

農夫たちは毎年同じところに帰ってくるアイダーダックのつがいのために環境を整えます。
鳥たちは海岸近くの地表に巣をつくるので、風の影響を受けにくくするように古タイヤで巣を覆い、中には巣箱ならぬ木製の小さな家を設置したりすることもあります。
また、アイダーダックにとっての天敵は野生のキツネです。キツネは地表の巣に産んだ卵を狙います。
農夫たちは鳥の生息地の道路で見張りをし、野生動物が入らないように柵をつくります。
無事に卵からヒナが巣立つと、農夫たちはその巣から羽毛を採取します。

このように人間と野鳥のやさしい関係が、世界最高峰の羽毛布団をつくりだしているのです。


ソサンスタイルブランドラベル

アイスランドは北大西洋の島国で北海道と四国を合わせたほどの大きさです。もともと火山活動でできた島で多くの活火山があり、温泉や地熱発電に利用されています。一方火山による被害も多く2010年4月のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火では噴煙の影響でヨーロッパの航空網を麻痺させました。

ちょうどその時に私は展示会でイタリアミラノを訪れていました。ミラノからフランクフルトへ向かうフライトがその影響で欠航、鉄道駅には人があふれ、ホテルも満室…なんとか車でアルプスを越えてドイツに入りました。