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羽毛布団の中身、ダウンのおはなし
羽毛布団を選ぶとき、必ず説明に登場するのが中に詰めてあるダウンのはなし。
もちろん羽毛布団なのでそれは当たり前なんですが…価格の高い良質といわれる羽毛布団の説明には、ダウンが布団に詰められる前…いや、ダウンが採取される前の原産国や飼育状態(たとえばマザーグースとか)、さらには契約農場というような長いストーリーからはじまることも多いようです。
では、2つの羽毛布団、あなたはどちらを選びますか?
品質表示やぶら下がっているタグにはこんなことが書いてあります。
同じ綿100%の側生地(布団表面の生地)で、見た目のふくらみも価格も同じです。
A ポーランド産マザーグースダウン95% 1.3kg
B ヨーロッパ産(ブレンド)ホワイトグースダウン95% 1.0kg
Aを選んだあなたはたぶん…こう考えましたよね?
ポーランド産のダウンが良いから
マザーグースだから
量がたくさん入っているから
今回は羽毛布団の中身のダウンについておはなしします。
羽毛布団で使われる水鳥はグース(ガチョウ)とダック(アヒル)
グースもダックも食用で肉やフォアグラ(肝臓)を採るために飼育されている家禽です。
グースの方が良質の羽毛が採れます。
体長が大きいので大きなダウンが多く採れます。
採れるダウンがダックよりも丈夫です。
グースは穀物を餌に、ダックは虫も食べる雑食傾向にあるので、ダックの方が臭いが強くなります。
今回の2つの羽毛布団はどちらもグースです。
羽毛布団はダウンとフェザーに分けられます
主に胸元で採れるタンポポの綿毛のような羽毛をダウンといいます。ボールのように丸いことからダウンボールとよばれます。
ダウンボールは大きく羽枝(ウシ/中心から出ている無数の毛)の密度が高いものほど良質です。
フェザーは芯のあるいわゆる羽根、ファイバーとはダウンから羽枝が分離したものです。
羽毛布団ではダウンとフェザーの比率をダウン率として明記します。ダウン率が高い方が通常は良質です。
こちらもどちらもダウン95%と同じです。
ダウンのランクは幅跳び競争で決める!
各農場で採取された羽毛原毛は精製工場へ運ばれます。
この時点での羽毛は採れたまんまの状態です。
ダウン率は30%前後(フェザー他が70%)くらいしかありません。
マザーグースといわれるものでも同様で、原料の袋の中には大きいダウンから小さいダウン、フェザーやゴミ(夾雑物)も含まれています。
これをつぎの手順で精製していきます。
- (洗浄)原料倉庫から洗浄機へ。大きな洗濯機で洗われます
- (乾燥・除塵)洗浄終了後に乾燥機で乾燥&ゴミを落とす
- (選別)チャンバーと呼ばれる選別機で“幅跳び競争~”遠くに飛んだダウンから優良とする(たとえばSランク・Aランク・B・C・・・)
Sランクのダウンはダウンボールが大きく空気を多く含むことができるので遠くへ飛ぶことができますが、空気を含めない小さいダウンや芯があって重いフェザーは早く落ちます。
アイダーダウンを除くすべての羽毛原毛はこの工程で選別されます。
同じ原毛からいくつものランクにできあがります 。
つまり、ポーランド産でも、マザーグースでも、中国産であったとしても、SランクがあればDランクもあります。
良質なダウンは少ない重量で羽毛布団を膨らませます
チャンバーで選別されたダウンはSランクとCランクではダウンボールの大きさが異なり、同じ重量でのかさ高が大きく変わってきます。
また羽枝の密度が高いので、羽枝がダウンから離脱してもかさ減りが少なく耐久性が高くなります。
ですから、同じふくらみの羽毛布団の場合は詰めてある重量(充填量)が少ない方が良質です。
最近は少なくなりましたが…こんなテレビショッピングみたことありませんか?
今回の2つの羽毛布団、同じふくらみでAが1.2kgに対してBが1.0kg…Bの羽毛布団の方がダウンボールの大きい良質なダウンであることがわかります。
今回のまとめ
羽毛布団はふくらみがあって軽いこと、長年使ってもふくらみを維持できることが良質な製品の条件です。
新品のうちはどれも同じふくらみになるようにつくっています。
原産地やマザーグースのような枕詞に惑わされないようにしましょう。
ちなみにヨーロッパの羽毛原料メーカーはもともとはお肉屋さんという会社もいくつかあります。
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ソサンスタイルの羽毛布団はすべてヨーロッパ産のホワイトグースダウンを使用しています。
シングルサイズの充填量は1kg前後…それでも十分なボリュームがあります。
さらに羽毛布団を持ち上げてみると皆さんビックリする軽さです。
もちろん、ソサンスタイルの寝室で掛け心地もお試しいただくこともできます。