平日朝8時15分から放送のNHKあさイチ、朝ドラの後の番組なのでそのまま見ている人も多いかと…
昨日(2月22日)は「グッスリ眠って、スッキリ目覚めたい!快眠スペシャル」を特集していました。
国会中継のため短縮放送でしたが、40分程度で盛りだくさん、またわかりやすい内容でした。
せっかくなので、睡眠に悩む現代人が少しでも快適な睡眠が得られるように、放送内容を勝手に補足させていただきます。
NHKに放送内容がアップされているので、照らし合わせて読んでくださいね。
放送内容はこちら(NHKサイトより)
CONTENTS
最初の90分を深く眠る(脳のスイッチをONとOFF)
スタンフォード大学 西野精治教授
最初に登場したのがスタンフォード大学の西野精治教授です。
睡眠学では大変な先生で、スタンフォード大学睡眠センターで居眠り病といわれるナルコレプシーの解明をした人です。
著書の「スタンフォード式 最高の睡眠」はベストセラーになりました。
朝食は決まった時間に
朝食はよく噛んでの前に、「決まった時間に」とお話しされていました。
朝食は決まった時間にとるということは、決まった時間に起きるということです。
西野先生は毎朝5時に起床という紹介でしたので、15時間後の夜8時頃から睡眠ホルモンといわれるメラトニンが分泌されます。
決まった時間に起きれば、決まった時間にメラトニンの分泌がはじまります。
その時間からはゆったりリラックスして過ごし、眠くなったら寝室で床につけば、最初の90分を深く眠れるのです。
朝食のベーコンエッグとみそ汁を見逃すな
西野先生が自身で朝食を準備するシーンがありましたが、
メニューはベーコンエッグ、みそ汁、ご飯でした。
卵、肉、また味噌のような発酵食品は必須アミノ酸のトリプトファンを多く含みます。トリプトファンは日中に心を穏やかにするセロトニンとなり、夜にはその一部がメラトニンとなります。
最初の90分をグッスリ眠るためには、朝から準備がはじまっているのです。
グッスリ眠るための「照明術」
江戸川大学 福田一彦教授
次に登場したのが江戸川大学睡眠研究所所長の福田一彦教授です。
同大学の睡眠研究所は秋の睡眠の日に合わせて毎年9月の第一土曜日に柏市との共催で「すいみんの日市民講座」を開催しています。(2020年は中止)
夜のリラックスタイムは電球色で明かりを落として
番組内でオレンジ色の光といっていたのは、電球色のこと。
睡眠ホルモンのメラトニンは部屋の明るさが500ルクス以上で分泌が抑制されていしまいます。番組のホームページ左側写真の昼光色蛍光灯下の照度計は574ルクスを示しており、これだけ明るいとなかなか眠くならないことも。
自宅は基本的にリラックスして過ごすところですから、家の中の全体照明はすべて電球色をおすすめします。
その中で仕事や勉強にはスタンドライトを用いる等、用途に合わせて部分的に照明を使い分ける工夫ができるといいですよね。
グッスリ眠るための「入浴法」
寝る前に体温を上げることで入眠しやすく
入浴について解説されたのは東京都市大学の早坂信哉教授です。
40℃程度のぬるめのお風呂に10分から15分浸かることで、深部体温が上がります。
人の一日の体温変化は起床後11時間後にもっとも高くなり、入眠と同時に急に下がります。そして起床の2時間前くらいから徐々に体温は上がりはじめます。
入浴の効果は入眠しやすく、さらに深い眠りを得られることです。
夜になって下がりはじめた体温を睡眠前1~1.5時間前の入浴少し上げることにより、入眠時の体温の落差を大きくします。
快適に眠るための寝具の使い方
昭和西川株式会社 西川ユカコ副社長
老舗寝具メーカーの副社長とNHKらしい紹介でしたが…昭和西川はムアツふとんの製造メーカーです。近年はマツコ・デラックスのCMをよく見ます。ムアツふとん発売当時からプロ野球の王貞治氏が長年イメージキャラクターでした。ちなみに私の元職です。ユカコ氏は入れ違いくらいで入社されたので、残念ながら一緒に仕事はしていません。
寒さ対策には敷き布団が大切
掛け布団は自身の体温を逃がさないようフタをする役目、ある程度の厚みがあれば問題ありませんが…番組での説明通り、ベッド下、または床からの冷えが大敵です。
ユカコさんの寝室(?)のベッドはマットレスの上にムアツパッド、その上にキャメルパッドの3段構造にしていました。
コイルスプリングのマットレスは金属製のバネなので中は当然空洞です。その上のムアツはウレタンフォーム素材、つまりスポンジなので空気を通します。寝室の温度が下がってくると寝具の下から冷たい空気が上がってきてしまいます。
これを防いでくれるのがキャメル、ウールやコットン等の天然素材で少し厚みのある敷きパッドです。
またこれら素材は吸湿性が高いので睡眠中の汗もしっかりと吸収してくれます。
東洋医学のツボで睡眠の悩みを解消
明治国際医療大学の伊藤和憲教授が説明されました。
ここはただなるほど…と聞くだけです。わかりません。
快適な睡眠のためには
毎日を元気に過ごすためには睡眠が大切だということはご承知のとおりです。
NHKあさイチで放映された、グッスリ眠ってスッキリ目覚めるためには、私たちの一日の体温変化とホルモン分泌のしくみに合わせて日中行動することです。
まずは朝の生活と寝る前3時間の生活をほんの少し見直すことで、睡眠は大きく変わります。
ただし睡眠時間が足りないから睡眠の質を上げると考える方が多いようですが、本来の睡眠の質は睡眠時間を伴ってはじめて改善されるものです。
株式会社寝室デザイン研究所
上級睡眠健康指導士
まつもと やすと
上級睡眠健康指導士とは一般社団法人日本睡眠教育機構の認定する睡眠についてのスペシャリスト。
学術的な睡眠知識に加え、科学的な知見の基づき睡眠に関するアドバイスを身近な人々におこなったり、地域や団体等に対して正しい睡眠知識の普及をおこないます。