早いもので今年も5月に入りました。
コロナの影響でいろいろなことが停滞しても、季節は移り変わっていきます。
だんだん暖かくなり、衣類は冬物から春物に入れ替えていると思いますが、あと1か月もすれば冬物寝具も収納です。
また秋にあたたかく、気持ちよく使えるように、しっかりメンテナンスして収納しましょう。
そこで、今回は羽毛布団を自宅で洗濯してみましたのでご紹介します。
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そもそも羽毛布団って洗濯できるの?
結論から言うと、ほとんどの羽毛布団は洗濯できるはずです。
まず羽毛布団の詰めものは水鳥羽毛(グースまたはダック)ですから、水に濡れたらダメということはありません。羽毛布団製造工程の中で羽毛原毛は大きな洗濯機で洗うことから始まりますので、羽毛自体は大丈夫です。
布団側と呼ばれる羽毛を包む生地は、ダウンプルーフ加工という生地から羽毛が吹き出ないように目潰し加工をしています。これが生地の防縮の役割をしますので、ウールの布団や毛布にあるように洗濯して縮むという心配は羽毛布団にはありません。
そしてキルト(マス目で羽毛を動かないようにする縫製)、通常冬用羽毛布団のキルトは表生地と裏生地の間にテープで壁をつくって立体の部屋(マス)にしています。
このキルトマスがミシンを使った糸で縫われているものであれば洗濯可能です。
逆に見た目にキルトマスの見えない加工、ノンキルト加工とかスミソニアン加工といわれる立体マスをつくるテープの壁部分を接着(熱による糊付け)しているものは、濡れることで中のテープがはがれる可能性があるので、洗濯することはできません。
羽毛布団を洗濯してみました(羽毛布団の洗濯方法)
品質表示を確認してみる
羽毛布団には日本製はもちろん外国製でも布団に縫い込まれている品質表示があります。
ここには取り扱い絵表示が描かれているので、洗濯OKなら自宅で洗濯することができます。
今回洗濯するのはスイス製の羽毛布団、ホワイトグースダウン1.0kg入り、生地は綿100%です。
日本語の取り扱い絵表示と現地の絵表示が付いています。
日本の絵表示の方がデリケートに扱うように表記されていますが、上手にたたんで入るようなら洗濯機の使用もできるようです。手洗い表記でも今の洗濯機は優秀なので使えるようですよ。
塩素系漂白剤は使用できませんので、汚れが気になる場合には酸素系漂白剤を使用します。
バスタブで水を吸わせると小さくできます
冬物羽毛布団はボリュームがあるため、洗濯機に入らなかったので、浴槽で押し洗いをしようと…
日本語絵表記の通り、お湯は使わず水と中性洗剤で溶液をつくり、羽毛布団を浸していきます。
羽毛布団はダウンプルーフ加工の影響で通気性がほとんどありません。
そのため、なかなか布団自体に水を馴染ませることができません。かなり苦労しますが、根気強く…
ここで発見!羽毛布団は中まで水を吸うとボリュームがなくなり、とても薄くなります。なので、バスタブ内で洗濯溶液をつくらなくても、水を浸み込ませれば洗濯機に入ります。
洗濯機の設定は毛布コースまたはドライコースで
中の羽毛まで水が入ると、羽毛布団は冬用でも薄くなります。これを縦長に3つに折り(シングルサイズ150cm幅を三つ折りで約50cm)、小さく丸めていくと洗濯機に収まります。
ドラム式またはタテ型8kg以上の洗濯機であれば、シングルサイズ、がんばってダブルサイズ1枚は入るようです。
洗濯コースは回転数の少ない、毛布コースやドライコースを選択します。
あとは脱水が終わるまでお待ちください。
洗濯機を使わない場合はバスタブ内で十分にすすいで、布団をロール状に丸めるように水を切ってください。
十分乾燥するまで天日干し
脱水が終わって洗濯機から取り出すと、羽毛布団はこんなにペタペタです。
果たしてふっくら復元できるのか…?
この時点ではかなり不安になります。
中の羽毛は布団の各マスの中でダンゴのように固まっています。
これを引きちぎらないように、解しながら乾燥させていきます。強く引っ張るとダウンが壊れてしまいますのでご注意を。
太陽の光をたっぷり浴びせて乾かしていきましょう。
前後(布団の上下)、表裏を均等に太陽に当てます。
しっかり乾燥すると、ご覧の通りフワフワの羽毛布団に蘇りました。
天気のいい朝早くから始めた洗濯も、夕方まで約一日です。
タンブラー乾燥機は使える?
日本語の絵表示にはタンブラー乾燥はNGとなっていますが、現地のISO表記では使用OKとなっています。
結論から言うと今回の羽毛布団に関して乾燥機の使用も大丈夫です。
ヨーロッパの都市部においては、布団どころか洗濯物を外に干す習慣すらありません。街の景観を損ねるため、法律で通りに面したバルコニーに洗濯物を干すこと禁止している地域もあります。
ヨーロッパの羽毛布団は日本ほど厚みがありませんが、多くの家庭で洗濯すれば乾燥機を使用します。
スイス工場のマネージャーと羽毛布団の洗濯方法について話をしたとき、乾燥機の中にテニスボールを入れると中の羽毛を適度に解してふっくら仕上がる、と教えてくれました。
生地を傷めるとか中のダウンを壊すとか心配しがちですが、日本の羽毛布団の生地は厚く、基準もヨーロッパに比べて厳しい(通気度が低い)ので大丈夫ではないかと。
ただヨーロッパの羽毛布団の生地は薄くても丈夫な平織りが主流なのに対して、日本の生地はソフト感と光沢を出すためにサテン生地を多く使用しているので…テニスボールはともかく、取り扱い絵表示に沿ったメンテナンスをおすすめします。
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布団専門工場で丸洗いクリーニング
ソサンスタイルは柏市保健所より認証を受けた布団専門のクリーニング取次店です。
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