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上級睡眠健康指導士のぐっすり眠れる10か条
柏市社会福祉協議会主催のイベント講座。
会場はラコルタ柏(教育福祉会館)2階多世代交流スペースです。
春の睡眠の日も近いので睡眠講座を開催しました。
今回も多くの事前予約いただきました。
当日体調不良等のキャンセルもありましたが現役世代からシニア世代まで幅広く聴講いただきました。
講座の後の質疑応答ではたくさんの質問もいただきました。
睡眠講座の内容
1. データでみる日本人の睡眠
世界睡眠デー
2024年3月15日は世界睡眠デー
世界睡眠学会が毎年春分の日の直前の金曜日に睡眠の大切さを啓蒙するために設定しました。
日本は年に2回の睡眠の日
日本では独自に睡眠健康推進機構が春と秋の年2回睡眠の日を制定しています。
春の睡眠の日(3月18日)
世界睡眠デーは日本人にはなじみのない日にちの設定です。
日本では世界睡眠デーに近い3月18日を春の睡眠の日としています。
秋の睡眠の日(9月3日)
9「ぐっ」3「スリー」の語呂合わせで日本独自の睡眠の日としています。
眠らない国ニッポン
OECD2021年調査 世界の平均睡眠時間
OECD(経済協力開発機構)2021年版調査結果で日本人の平均睡眠時間は7時間22分。
調査33か国の中で最も短くなっています。
2位の韓国と8時間未満は2か国のみです。
前回2018年調査では韓国の平均睡眠時間は若干長くなり改善傾向の中、日本は変わらず…ダントツの1位独走中です。
都道府県別睡眠格差
世界一睡眠時間の短い日本ですが、都道府県別の格差を見てみると、
平均睡眠時間が最も長い県は秋田県、北東北4県が長くなりました。最も短い県は埼玉県、2位が千葉県…首都圏、中京圏、関西圏と続きます。
都市部で睡眠時間が短い傾向にあります。
データによると通勤時間の長い地域が睡眠時間が短いことが分かります。
2. 眠れない?眠りが浅い?シニアの睡眠
自身の睡眠に不安がありますか?
日本人全体で4人に1人
70歳以上の3人に1人
は自分の睡眠に不安や不満があります。
会場内では半分以上の方が手を挙げました。
睡眠講座を聴きにくる方々なので、睡眠に対する意識は高いものと考えられます。
主な症状として、
・中途覚醒(途中で何度か目を覚ます)
・早朝覚醒(予定した時刻よりかなり早く目が覚める)
・睡眠障害(ぐっすり寝た気がしない)
シニアの睡眠事情
深睡眠時間の減少とレム睡眠の減少で何度も目が覚める…熟睡感が足りない
睡眠時間と就床時間のギャップ…布団の中にいる時間の増加と睡眠時間の減少で眠れていない時間に不安感を感じる
3. ぐっすり眠れる…生活の掟10か条
① 毎朝同じ時間に起床する
眠りのホルモンといわれるメラトニンは起きてから15時間後に再び分泌します。
(シニアの場合)
早く目が覚める傾向になるので、早寝をせずに就寝時間を遅らせて目覚めの時間を調整するという方法もあります。
(働く世代の場合)
休日の寝だめは注意。起床時間が遅れるとメラトニン分泌時間が遅れるので、その日の夜の睡眠が浅かったり寝つけなかったりします。
② 起床したら明るい光を浴びる
人には概日リズム(サーカディアンリズム)という体内時計があります。
これは24時間より少し長く(~25時間)、朝明るい光を浴びることでリセットされ24時間周期に調整されます。
曇りや雨の日でも部屋の中より明るいので外の光を毎日浴びましょう。
③ 朝食はしっかり!
朝はタンパク質や発酵食品を意識して摂りましょう。
これらは必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれ、日中にセロトニン、夜に一部がメラトニンとなります。
④ 積極的に昼寝をしましょう
起床から8時間後に覚醒リズムで多少眠くなります。
この時に10~20分以内の仮眠を取りましょう。
仕事効率がアップし、認知症予防にもなります。
15時以降の仮眠は夜の深睡眠に影響します。
⑤ 帰りの電車では寝てはいけない
帰宅の通勤電車の夕方は体温が高く最も活動的な時間帯です。
もしもラッキーにも座れてしまったら絶好のスマホタイムです。
⑥ 夕方に汗ばむ程度の運動をしましょう
朝起きてから11時間後がもっとも体温が高く、22時間後がもっとも低くなります。
毎朝6時に起きる人は午後5時頃がもっとも体温が高くなります。
この時に運動で体温をさらに上げると一日の体温差が広がり眠りやすくなります。
体温が下がるときに眠れます。
⑦ 夕食は就寝3時間前までに済ませましょう
食べ物がいに滞在する時間は平均で2~3時間です。
夜遅い食事の場合は消化の良いものにします。
睡眠中に胃を働かせると睡眠が浅くなります。
⑧ 入浴は就寝1~2時間前にぬるめのお湯にゆっくり浸かりましょう
38~40℃のぬるめのお湯に5~10分ゆっくり浸かりましょう。
深部体温が上がり入眠しやすくなります。
熱いお湯では交感神経が優位になり目が覚めやすくなります。
シャワーでは体温は上がりません。
⑨ 就寝前はリラックスタイム
少し暗めの部屋でリラックスして過ごしましょう。
就寝前の部屋では電球色の間接照明を中心とした部屋で読書や音楽鑑賞等で心穏やかに過ごしましょう。
明るい部屋だとメラトニンの分泌が抑制されます。
⑩ 就寝時には寝室の照明を消しましょう
目に入る光源はすべて消灯します。
天井灯の豆電球も消しましょう。
真っ暗の部屋では不安感の出る方は足元にランプを置きます。
いろいろお話ししましたが…今日のまとめ
いい睡眠のためには
- 心が穏やかであること
- 睡眠にいい生活習慣を身に着けること
- 住宅環境(照明等)を整える
- 身体に負担のかからない寝具を使用すること