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NHKクローズアップ現代 5月24日放送より
(睡眠特集)ぐっすり眠れていますか?徹底分析!日本人の寝不足
NHK総合で毎週月~水曜日19:30~19:57に放送されている「クローズアップ現代」、2022年から桑子真帆アナウンサーがメインキャスターを務めています。
19時からのニュースに続いての放送なので、帰宅後に何気に見ている人も多いと思います。
5月24日(水)の放送は睡眠特集「ぐっすり眠れていますか?徹底分析!日本人の寝不足」と題して放映されました。
ゲストコメンテーターはノーベル賞にもっとも近いといわれる筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構機構長の柳沢正史教授、快眠を得るための新常識ということで解説されていました。
(番組のホームページはこちら)
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/p8VjzEYoM8
世界一短い日本人の睡眠時間
日本人の成人5人に1人が睡眠の悩みを抱えているといいます。
番組で紹介していた各国の平均睡眠時間は日本は先進国で最も短い6時間18分とのことです。
2番目に短いのが韓国…
私の使用するデータは2021年OECDのデータで同じく加盟国でもっとも短い7時間22分、2位は韓国…
データ元が違うので平均睡眠時間はかなりズレがあるものの、日本が世界一短くなります。
睡眠セミナー等で現役世代の皆さんにどれくらい寝ているか尋ねると、6時間~6時間30分位の方が圧倒的に多くなっています。
GDPの高い国ほどよく眠る
ここで注目すべき点はGDPの高い国ほどよく寝ているという指摘です。
睡眠不足は仕事の効率を下げるということは言われますが、睡眠不足による経済損失は日本は大きいことがわかります。
世界における日本の競争力という部分でも日本は下降傾向にあります。
日本人も睡眠時間をしっかり確保して経済トップレベルに返り咲きたいですね。
睡眠中央時間のズレが問題
仕事のある日は睡眠不足になるので、どうしても休にの寝ダメをしたいということになります。
しかしその寝ダメが週初めの気だるさを引き起こしてしまいます。
柳沢教授によると睡眠中央時間という言葉で解説していました。
睡眠中央時間とは就寝から起床までの中央の時間帯です。
平日と休前日の睡眠中央時間のズレが体調不良を引き起こすというもの。
つまり寝ダメの方法として、睡眠中央時間をある程度合わせるように長時間睡眠を取り平日の睡眠不足を少しでも解消しようということです。
休前日には平日よりも早く就寝して、休日には早く寝た分朝寝坊すれば、睡眠中央時間は平日と同じにすることができます。
たとえば…
平日午前0時に就寝し、朝6時に起きる生活の人の睡眠中央時間は午前3時。
休前日に午後10時に就寝して、休日朝8時まで寝れば、同じく午前3時となります。
これに今まで講座等でお話してきた眠りのホルモン「メラトニン」の目覚めてから15時間後の分泌時間を合わせると、
平日6時起床で、15時間後の夜9時から分泌しますが、休日8時の起床で夜11時から分泌…
まぁ、なんとかいけるかもしれませんね。
これを2日間の休日に実行すると2日間で8時間の睡眠負債(めっきり聞かなくなりました)を解消することができ、平均睡眠時間を7時間以上とすることができます。
コロナ明けのハイブリッド勤務で睡眠状況は悪化
これがコロナ明けにより、再び出勤するようになりました。
またテレワークで仕事が回ることも知ってしまったので、テレワーク継続という会社も多いとききます。
さらに、仕事内容により出勤したりテレワークにしたり切り替えるハイブリッド型勤務というのも登場しました。
このハイブリッド勤務は確かに生活のリズムをつくりにくく多くの睡眠の悩みを引き起こす結果となっていると解説していました。
2020年のコロナ禍以降、テレワークの推進で自宅勤務により生活習慣のバランスが崩れ睡眠の悩みも多く聞いてきました。
交感神経と副交感神経の交代がうまくいかなくなり、なかなか寝つけなかったり、熟睡感がなかったり…
そんなときには毎朝同じ時間に起きて、朝食を摂り、光を浴びること。さらに毎日着替えることで仕事モードに切り替えると助言をしてきました。
睡眠の質の評価方法
睡眠の質…は通常生活の中では数値としてはかることができません。
あくまで本人の感覚で、スッキリ目が覚めた睡眠休養感と睡眠時間である程度は睡眠の質を判断することができるということと説明していました。
「睡眠の質」という言葉が飲料メーカー等のCMで出てきて、最近では会話の中でも当たり前のように使うようになりました。
私たちが普段使う「睡眠の質」とは、普段睡眠時間が取れない中、短時間でもぐっすり眠って睡眠の質を上げれば大丈夫との解釈が多いようです。
テレビCMでも「睡眠の質」と字幕が出ると必ず(※)注意書きが出ています。あの時間で読める内容ではありませんが…(笑)
シニアは床上時間に注意
現役を退いたシニアの皆さんが多いのが睡眠休養感の低いことです。
日中活動しているアクティブシニアに比べて、静かに生活しているシニアの方は入床時間が早くなる傾向になります。
そうすると長い間布団の中にいるのに睡眠休養感がないという、眠れないという感覚になります。
ただでさえ睡眠力(寝るにもある程度体力が必要)が下がっているのに、8時間以上も床にいたらツラくなります。
日本の住宅は明るすぎ!
欧米に比べると日本の住宅はかなり明るい、寝室はもちろんリビングの照度ももっと下げようと提言されていました。
日中活動される人にとって、夕方~夜に帰宅すると玄関から入ると睡眠のための準備が始まります。
自宅は基本的にリラックスして過ごす場所。そうすると入眠もしやすくなります。
日本の住宅のリビングはとても明るく、白色蛍光灯が煌々と灯っているお宅も多いかと。
寝室は電球色の間接照明だけでOK。
リビングも暗いかな?程度の照度でくつろぎ、自然と眠くなるという状況をつくりましょう(うたた寝は注意です)。
白色の明かりが必要なのは、子どもの勉強する机の上、料理をする手元だけで十分です。
日本の街もオレンジ色の夜景になるといいかもしれません。
海外で飛行機が夜に着陸する時、窓の外はどこの街もオレンジ色の光です。
日本はキラキラと白く輝いています。それはそれでキレイですが…眠らない国ニッポンの象徴のような気もします。