ウール(羊毛)と聞いて思い出すのは、コートやセーターという冬物衣料です。
寝具にしてもウールのパッドや毛布、また羊毛布団というと、冬の寝具との認識が高いかと…
今ではしっかり定着した「クールビズ」、2005年に現東京都知事の小池百合子環境大臣(当時)がノーネクタイ・ノージャケットのキャンペーンを展開しました。
2011年には原発事故の影響を受け「スーパークールビズ」も登場、ビジネスにおける軽装化が進んでいます。
それ以前は、
男性の場合、ジャケット・ネクタイ必須、さらに取引先によってはワイシャツの半袖もNG…もちろん腕まくりなんてもっての外。そんな時代でした。
私はもちろん主にその時代を駆け抜けた営業戦士でしたが…夏物のスーツは毎年2着は新たに必要でした。
で、その時に気づいたこと。
夏のスーツ素材は100%毛(ウール)に限るということ。
ポリエステル混紡の方が価格的には安かったのですが…ジャケットを着ているときの胸元からのモワッとした熱気が不快でした。またパンツもベタっと貼りつくような感じも同様です。
100%ウールももちろん暑いのですが、まだ耐えられる暑さです。
なぜ100%ウールは耐えられる暑さなのか、
そこにはウールの構造と特徴に秘密があります。
今日はウールの構造についてのお話しです。
ウールは水をはじいて水蒸気だけを取り込む(構造)
いわゆる哺乳類の毛は人間も含めて基本的にみんな同じ構造をしています。
油脂分をまとった“うろこ状”の部分、人の髪の毛でいうならキューティクル…シャンプーのコマーシャル等で聞いたことあると思います。
ウール等では「スケール」といいますが、このスケールの力が素晴らしい!
水は弾いて水蒸気を取り込む。だから表面はサラッとしているんです。
たとえば、ウールのセーターをお洗濯すると、軽く脱水してハンガーに吊り下げたセーター表面はすでに乾いた状態、でも指でつまむとジュワっと中から水が出てくる…その感覚です。
また、登山する人はご存じだと思いますが、肌着や靴下はウール素材をよく着用します。
毛製品以外では登山中にかいた汗を吸った繊維は山の気温の低下とともに冷たくなって身体が冷えてしまいます。
ウールは繊維が冷えることなく身体を守ってくれます。
だから、サラッとした感覚で暑いながらも耐えられるのです。
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